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CDP、Salesforce Marketing Cloudについて書いてます。

データから「熱量」を読み解くためには

皆さんこんにちは。Legoliss加藤です。

このブログでは多くの企業のお手伝いをさせていただく中で、 データとマーケティングと技術という側面で皆様のヒントになるような テーマでお話ししております。

本日のテーマは「データから“熱量”を読み解くためには」についてお話しします。

■データの本質的な価値とは?

データ(例えば生活者の行動ログや購入履歴、SNSでの発信など)の価値というのは数値的な事実を集計できるということだけではありません。その行動と傾向から、対象である生活者の意思決定のプロセスや認識など、分析を行うことでその「思考」を浮き上がらせることができる様になります。もちろん客観的な情報を取り出すことは重要ですが、同時にそこで活動している人たちの「熱量」を捉えることがデータの本質的な価値になります。

■どの様なケースで「熱量」を読み解くのが大事なのか

例えば、あなたがとある商品のマーケティングを担当しているとしましょう。その際に過去の販売データをもとに、売り上げの予測を行っています。あなたは担当者としてその予測のみでマーケティングを行うことができるでしょうか?

おそらく難しいのではないかと思います。その商品やサービスを特定の人たちに届け、価格以上の満足を得てもらうためには、

・どの様なタイミングでその商品を知るのか
・その商品をいつどこで手に取ってもらえるのか

・その商品をどの様なシチュエーションで使うのか

・その生活者が所属するコミュニティはどの様なものか(繋がりで商品購入が強化されるか)

・どの様なことに価値を感じているか

などなど、多くの変数が掛け算となってその後のマーケティングのアクションを変える必要があります。そのために、「データを活用したマーケティング」というのは単に数値を可視化したりするだけではなく、上記の様な生活者の動きや意識など、
「マーケターの想像力を補完するため」に分析を行う

ことが重要になってきます。

■どのように「熱量」を読み解くのか

データから「熱量」を読み解くためには「ファンの視点」をおさえていくことが重要です。

より商品やサービスのこと、さらに言えばその事業と生活者がより強い力でつながっていくためには、「エンゲージメントが強いユーザ=ファン」を創っていく必要があります。

ファンの形がいろいろな形で見えている商品はすごく打ち手やその後の進化もやりやすい傾向があります。

例えば、映画などのコンテンツ配信業者の場合、全体の数値にたよりすぎて人気の作品を流すだけでは一過性のユーザが増え、最終的なLTVは伸びなくなってしまいます。利用ユーザひとりひとりを軸にして分析を行い、よりそのユーザごとに利用したいタイミングや目的(通勤中や休日家族でなど)やコンテンツのジャンル(洋画の俳優が好き、ストーリーが好き、映画監督が好きなど)、などから紐解いていくことで「ずっと使いたい・購入したい」と思ってもらえる様な再現性を見出すことが重要になってきます。

スポーツなどでは単にチケットを購入してもらうのではなく、データを活用し、ファンの人たちが一番盛り上がるタイミングでコミュニケーションをとり、グッズの購入につなげるなど、ファンとして今一番コミュニティでつながり、価値を感じてもらっている瞬間をデータで捉え、そのタイミングでアクションを仕掛けることなどの工夫ができることが理想です。

■「熱量」を前提にしたマーケティングをどう加速させるのか

前述の例でも共通して言えることは「マーケターもファンであること」は生活者の熱量を活用したデータマーケティングを成功させるための近道です。生活者・ユーザの行動を認識し、気持ちが高まるタイミングで適切なコミュニケーションを行っていくことが重要であり、それができる担当者は自社の商品やサービスの「ファン」としてデータを活用してマーケティングの解像度を高めていける可能性が高いです。

生活者とマーケティングの感覚ができるだけ小さくなる様にできると、データを利用した時のバイアスがかかりづらくなります。

また、生活者ひとりひとりの「ストーリー」をちゃんと尊重することで、大枠の情報に流されず、しっかりと「盛り上がる」マーケティングを実施できます。

「集計」という言葉に引っ張られて全体しか見えない状態にならない様に気をつける必要があるのです。

■まとめ

・生活者の「思考」や「熱量」を読み解き、「マーケターの想像力を補完する」のがデータの役目
・データから「熱量」を読み解くためには「ファンの視点」が重要

・「担当者も商品・サービスのファンである」「ファンひとりひとりの行動
・ストーリーに着目する」こと

データはその性質から客観的な印象を持たれがちであり、実際に多くの人がその様にデータを扱っていますが、最終的に生活者に価値を届けていくためには企業側も「熱量」を届ける必要があり、その際に生活者の「熱量」をしっかりと捉えていくことは、データをマーケティングに活用していくためには必要不可欠となります。

ぜひ一度チームでもそれぞれの「熱量」について話し合ってみてはいかがでしょうか。

 

<このブログの執筆者>
株式会社Legoliss
データアーキテクト 加藤英也